1通の手紙
1通の手紙を読んだ
拝啓
本日御手紙を拝見致しまして再び新しく常時の十月十八日の戦闘が浮かんで来ます軍艦といっても小艦でありましたので尚又 正義君とは非常に仲良しで慶 も入 し台湾に勤もそれこそ一緒で同じ軍艦に約一ヶ年三ヶ月居ましたので
遺族の方の住所か本籍地が分かったらと思って色々と大分懸人と聞いた唯彼と聞いて居た次第でした先日妻から
手紙が参りましたので非常に私として不思議な縁と思って嬉しく思って居ります時々の上陸等致した場合同行等致したりして今更 良き戦友を失ひました事を残念に思って居ります
常日の模様等御主人の事一から十まで知って居りますけれど何分軍規がありますので軍規にふれない程度で御知らせいたします本に公報の時は御驚き且つ御非難の事と思ひますどんな言葉を似て御悔み申しあげて良いか分かりません
御主人は本当に立派な御戦死でありました其の勲幾分なりと御遺族の皆様として御心の慰めとなること思ひます
当日(十月十八日)私達のこれ以上手紙には書けませんので残念ですがこれで御主人様は今尚護国の英霊として比島方面で皇軍の戦ひを見守って居られる事と思ひます 又 何日か御逢ひの節は御知らせ致します 戦句盆々重大なる御身御大切に御主人二人分の御奉公を御祈り致します
5月18日 久神 兼次
じいさんの戦友からばあさんあての手紙でした
この時まだ戦争中 大変な最中
孫の私から 久神 兼次様 御手紙ありがとうございます 御気持ち 確かにうけとりました